看護師に求められている接遇とは?
求められているのは共感力と理解力
医療接遇において大切なものは何でしょうか。それは患者さんと感情を共有することです。患者さんの持つ不安や悲しみなどの思いに共感し、心の中にある悩みを理解することが大切です。特に、患者さんの一番そばにいる看護師は患者さんにとって唯一の頼れる存在であることを自覚して行動する姿勢が求められます。
患者さんの多くはさまざまな不安を抱えながら病院を訪れています。身体だけでなく心のケアも求めているため、接遇マナーが不十分だと患者さんやその家族からの信頼は得られません。医療接遇で求められているのは「共感する力」です。そのためにまずは患者さんの話をしっかりと聞き、患者さんの立場になって物事を考えることが重要です。患者さんの気持ちに自分の心を重ねるようにして、患者さんがどのような思いを持っているのかを理解する力を身につけましょう。
患者さんの言葉に耳を傾ける
医療接遇の目的は患者さんの心の負担を軽くし、癒すことです。看護師が患者さんの悩みや不安にしっかりと耳を傾け、その思いをくみ取ることで、患者さんの中に「聞いてもらった」という満足感が生まれます。患者さんの不安が少しでも和らぐように、言葉ひとつひとつを注意深く聞いてその奥にある不安や悩みをしっかりと把握しましょう。
また、看護師とコミュニケーションがしっかり取れていることは患者さんの安心感にもつながります。患者さんの精神的なケアにコミュニケーションは必要不可欠であることを覚えておきましょう。コミュニケーションがしっかり取れていれば、会話中の声の抑揚や話すスピード、言葉の言い回し、表情などで異変をいち早く察知することができます。どんな小さな変化も見逃さないように患者さんの様子を観察しましょう。
看護師は患者さんにとって頼りになる存在
患者さんとよい関係を築き、適切なケアを行うために看護師はあらゆる言動に注意して看護を実践していかなければなりません。看護業務を実践する際は、「誠意を持って対応する」「医療従事者として業務を正確に行う」「公平な判断や立場を心がける」「正確かつ迅速に行動する」「不安を抱く患者さんには丁寧に接する」「その場の状況に合わせて機転を利かせる」の6つのポイントに注意して行うようにしましょう。看護師として高いスキルを持っているだけでは、信頼は得られません。患者さんが心を開いて接してくれるように、接遇マナーもしっかり学ばなければならないのです。